「水疱瘡にかかってしまったのだ」の巻
水疱瘡にかかってしまったのだけど、腑に落ちないことがある。
血液検査をした。結果を見ると、水疱瘡の兆候が数値に現れていない、と松井先生は言う。「可怪しいねえ、南さん、昔、水疱瘡やった?」。
水疱瘡経験者で免疫ができている人の場合の数値だそうだ。「前にうちでも一例あったんだけど、水疱瘡やっていても、またかかっちゃう人が稀にいるんだよね」と。
「でなかったら、別のウィルス性の病気ということになるねぇ。手足口病? それはないな。症状が違うから」
「新種のウィルス発見で、松井先生、有名になっちゃいますよね? ノーベル賞獲れますよ!」
松井先生はぼくのジョークはいつも笑顔で優しくスルーしてくれる。
ここに集合写真(PC画面で見て)あって、これ、たぶん、10年ぐらい前の写真かな?
松井先生はもう少しお歳を召されているけど、まあだいたいこんな感じ。
こんな人格者、見たことないです。病状にしても、薬にしても、しっかり論理的に説明してくれる。手順がよい。看護師さんも皆親切で優しい。ここに来ると「徳」とか「仁」っていう漢字を思い出す。
表面的に穏やかな人は、この国・文化圏にはたくさんいて、皆安易に騙されるけど、性根が優しい人って、ほんと少ないと思う。逆に言うと、日本以外は、皆普通に優しいんだよね。こればかりは経験してもらうしかないけど。中国人の方が日本人よりはるかに優しいですよ、ネトウヨさん。
組織の場合、トップが人格者だと皆がおのずとそうなる。20年近く前、セラ技でお世話になったとき本当にそう思った。いまはそうは思わないとは言わないけど、世の中はすっかり世知辛く、他者に冷淡になったのは確かで(十年も日本を離れているとこの「感覚」の違いは顕著です)、結局、その中でどう過ごすか、どこで誰と付き合うか、ということになる。
この集合写真の後列、マスクをしている看護師さんがぼくのバディーです。つい数日前も「南さん、ごめんね、じゃこっちで(隔離エリア。もう感染の可能性ゼロなのに)待っててね、お願いだから拗ねないでよ!」と、拗ねてないのに、この看護師はぼくに「拗ねろ、笑わせろ!」と言いたいわけです。
だから、「いやだいやだいやだ! 隔離しやがって、訴えるぞ! 夜中に石投げるぞ!」「もう困った人ねえ」と、ふたりでケラケラ一芝居打つわけです。で、ぼくはちょくちょく甘いものとか買っていくから、みんなに好かれている。
薬飲まないとやや高血圧気味なので、月1で通っているけど、もっと頻繁に行きたいんだよね~。ぼくに優しくしてくれる数少ない場。スナック「ゆう子」も好きだけど、どっちか選べと言われたら、迷わず、松井医院を選ぶ。
「ゆう子」に電話して、水疱瘡かかったから、消毒しといてよ、と言ったら、ゆうちゃんは「ナンちゃん、ほんと、優しいよね。そういうところ、好きだよ」と言ってくれた。わかってくれる人と深く付き合おうと思うよ、残りの人生を。
松井医院は数年前から薬は付近の薬局で扱うようになっていて、ブラジル系(?)のお嬢さんが受付で働かれていて、彼女と交わすポルトガル語の挨拶が、最近の癒しです。彼女、日本語ペラペラなんですけど、ぼくに合わせてくれます。
ポルトガル語(も)がんばるぞ!
水疱瘡は症状が出てから数日間が再感染の恐れがあるけど、症状が出てからもう2週間近いので、ディープな接触でも大丈夫らしいよ、松井先生曰く。ひひひ。
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